暑くなってくると、着物で出かけたい気持ちはあるのについ躊躇してしまうことがありませんか?
着物ブラ、着物スリップ、補正下着、長襦袢、着物。きれいに着るために必要なものとはいえ、重ねて着ていくことを考えると「今日はやめておこうかな」と。
そんなときに私が取り入れているのが、袖のない楊柳の長襦袢に、安く手に入れたうそつき袖を縫い付けて、1枚で涼しく着る方法です。
きちんとした場には不向きかもしれませんが、普段の気軽なお出かけなら快適に過ごせますよ。

夏の着物がつらくなる理由は「重ね着の多さ」
着物は、洋服に比べてどうしても重ねるものが多くなります。
たとえば、きれいに着ようとすると次のようなものを身につけることがあります。
| 重ねるもの | 役割 |
|---|---|
| 着物ブラ | 胸元をすっきり整える |
| 着物スリップ・肌着 | 汗取り、透け防止 |
| 補正下着・タオル | 着姿を整える |
| 長襦袢 | 衿元や袖口を整え、着物を守る |
| 着物 | 外に見える主役 |
ひとつひとつには意味があります。でも、気温が上がる季節にはこの重なりが暑さの原因。
特に女性は、汗やのぼせ、体温調節のしづらさが気になる日もあります。無理をして着物が苦手になってしまうより、崩してでも楽に着られる工夫を持っておくほうが長く楽しめます。
私の暑さ対策は「うそつき長襦袢+うそつき袖」

私が使っているのは、袖のない楊柳の長襦袢いわゆる「うそつき長襦袢」です。
うそつき長襦袢とは、袖のない襦袢のこと。半襟が付いているものも多く、そこに「うそつき袖(替え袖)」を付けることで、見た目はきちんと長襦袢を着ているように見せてくれます。
専用セットとして販売されているものは、袖部分がマジックテープで簡単に付け替えられてとても便利。ただ、しっかりしたものを揃えようとすると、襦袢が2万円前後、替え袖が7,000〜1万円くらいすることもあり、なかなか高価です。
もちろん、「きれいに着たい日」や「長く愛用したいもの」としては、そうした専用品も魅力的。でも、普段着として気軽に夏着物を楽しむなら、もっと手頃な方法でも十分だと思っています。
私がよく活用するのは、メルカリやハンドメイド販売サイト。
「高島ちぢみ 長襦袢」や「洗える 夏 長襦袢」などで検索すると、5,000円前後で見つかることもありますし、うそつき袖も、メルカリでは手頃なお値段で出品されていることも。私は写真のハンドメイドの袖を1,300円で購入しました。
高島ちぢみは、生地に細かな凹凸があるため肌に張りつきにくく、綿素材が汗も吸い取ってくれて暑い時期も快適です。実際どんな下着を付けているかなんて他人にはわかりません。自分が快適ならいいんじゃないでしょうか。
縫い付けるときのポイント

難しい和裁のように考えなくても、普段着用ならざっくり固定するだけでOK! 私は3ヶ所縫い付けているだけです。
本来は着物1枚ずつに寸法の合った長襦袢を誂えるものですが、今はそんな人少ないですよね。
着物に寸法の合っていない長襦袢しかないときもあります。そんなときはクリップで留めたり数か所縫って縮めたり。そんな工夫でのりきっている人も多いのでは。
それと同じで、うそつき袖が少しぐらいはみ出ていても誰も気にしません(笑)
でも、気になる人は次の点を確認しておくと安心です。
- 着物の袖丈とうそつき袖の長さが合うか
- 袖口からうそつき袖が出すぎないか
- 振りから見えたときに不自然ではないか
- 左右の袖の高さがそろっているか
縫い付ける前に、実際に着物の袖に合わせてみるのがおすすめ。まち針や仮留めクリップで位置を決め、鏡で袖口と振りの見え方を確認してから縫うと失敗しにくくなります。
縫うのが苦手な方ほど、最初からしっかり縫い込まず、数か所だけ軽く留めるところから始めるのがいいと思いますよ。
他にも夏用の絽の着物などは、最初から袖部分に襦袢のような袖が縫い付けてあるものもあります。この場合、うそつき袖も要りません。そういった涼しい着物を選ぶのも、私の夏の楽しみです。
この方法が向いている日・向かない日
この方法は、着物をもっと気軽に楽しみたい日の工夫です。すべての場面に万能というわけではありません。
| 向いている日 | 注意したい日 |
|---|---|
| 普段のお出かけ | フォーマルな式典 |
| 近所への外出 | 礼装の場 |
| カジュアルな食事 | 着付けの決まりを重視する場 |
| 暑さで着物を迷う日 | 長時間きちんと見せたい日 |
正式な場では、場に合った長襦袢を選ぶほうが安心です。けれど、普段着物なら「暑いから着ない」より、「少し工夫して着る」ほうが楽しい日もあります。
洗濯のしやすさも大事
暑い季節の着物まわりは、汗をかきやすいので洗いやすさも大切です。
私は汗をかきそうな時期はほぼ、洗える襦袢に洗える着物で出かけます。帰ったら脱ぎながら洗濯機に入れていき、下着や足袋まで入れたらおしゃれ着洗いの洗剤を投入してデリケートモードでぐるぐる洗濯。
洗える長襦袢やポリエステルのうそつき袖なら、手入れの負担がぐっと軽くなります。楊柳やちぢみ素材は凹凸があるため、肌にぺたっとつきにくいうえ、洗いっぱなしで大丈夫。もともとシワシワなので(笑)
もちろんうそつき袖もつけっぱなしで洗って干し、また次にそのまま着ます。「なんてものぐさな。」と思われそうですが、このくらい気楽に着ていいのだと思いますよ。
ただし、素材によって洗濯表示は違います。購入した商品の表示を確認し、色落ちや縮みが心配なものは単独でやさしく洗うことを心がけましょう。
まとめ:夏の着物は「全部きちんと」より「楽に続ける」

暑い時期の着物は、がんばりすぎると遠のいてしまいます。
袖なしの楊柳長襦袢にうそつき袖を付ける方法は、重ね着を減らしながら、袖口の見た目も整えられる実用的な工夫です。
高価な専用品には専用品のよさがあります。一方で、普段着なら5,000円前後の洗える長襦袢や、メルカリで見つけたうそつき袖を賢く使うのも十分ありです。
着物は、無理をして着るものではなく、自分の暮らしに合わせて楽しむもの。暑い日こそ、少し肩の力を抜いて、涼しく着られる方法を試してみませんか。
